入院や手術で、もし医療費が100万円とかになったらどうするんだろう。
「保険で全部払えるの?」「貯金がかなり減るのでは?」
気になって調べてみたら、「高額療養費制度」というものがあるらしい。保険診療で自分が払う金額には、年齢や収入に応じて、1か月ごとの上限があるんだそうです。
高額療養費制度って、どんな仕組み?
医療費が高くなったら、そのまま全部を自己負担するわけではないみたいです。年齢や収入に応じて決まる「自己負担限度額」を超えた分は、あとから払い戻される仕組みになっています。
これ、知っておくだけでも少し安心できる制度だと思います。
対象になる費用・ならない費用がある
ただ、入院にかかるお金が全部対象になるわけではありません。
対象になるのは、基本的に公的医療保険が使える医療費。一方で、次のような費用は原則対象外です。
差額ベッド代
入院中の食事代
先進医療の技術料
交通費や日用品代
つまり、「医療費の上限」と「入院で実際にかかるお金」は別で考えた方がよさそうです。高額療養費制度があるから全部安心、というわけではないんですね。
「ひと月」で区切られる、という盲点
高額療養費制度は、入院中にかかった金額をまとめて計算するのかと思っていましたが、実際は原則「毎月1日から末日まで」で区切って計算されます。
たとえば、1月の終わりに入院して2月に退院した場合。1月分と2月分は別々に計算されます。入院期間全体でひとまとめ、ではないんです。
治療日は自由に選べないことも多いですが、予定入院なら「月をまたぐかどうか」を確認しておくとよさそうです。
2026年8月、制度が改定されました
2026年8月診療分から、高額療養費制度の内容が変わりました。主なポイントは3つです。
自己負担上限額が引き上げ:年齢・所得区分に応じて月額上限が見直されました。たとえば70歳未満・年収約370〜770万円の区分では、計算式の基準額が80,100円から85,800円になりました(正確には「85,800円+(医療費−286,000円)×1%」)。
「年間上限」が新設:月単位では上限に届かなくても、8月〜翌7月の1年間の自己負担合計が上限に達したら、年間上限を超えた対象医療費の自己負担分が支給される仕組みができました。窓口での支払いが自動的になくなるという意味ではなく、申請・支給方法は加入先への確認が必要です。70歳未満・年収約370〜770万円の区分では、年間上限は53万円です。
「多数回該当」の金額は据え置き:直近12か月に3回以上上限に到達している場合の優遇額は、これまで通りです。
さらに2027年8月には、所得区分がより細かく分かれ、上限額がもう一度見直される予定です。
金額は所得区分や加入している健保組合の付加給付によって個人差があります。正確な金額は、加入している健康保険組合や自治体の窓口で確認するのが確実です。
窓口での支払いを抑える方法もある
高額療養費は「後から返ってくる」仕組みですが、それだと一旦は高額を立て替える必要があります。
オンライン資格確認に対応し、限度額情報を確認できる医療機関等では、マイナ保険証を使うことで、原則として限度額適用認定証の事前申請なしに保険診療の窓口払いを自己負担限度額までに抑えられます。差額ベッド代や食事代などの対象外費用は別途かかります。複数の医療機関で受診した場合などは、後日、高額療養費の申請が必要になることもあります。
マイナ保険証を使わない場合(資格確認書で受診するなど)は、加入している健康保険に「限度額適用認定証」を申請しておくと同じ効果があります。入院が決まったら、どちらで受診するかを先に確認しておくと安心できそうです。
まとめ:知っておくと、いざという時に慌てない
高額療養費制度は、知っているだけで「もしも」への備えになる制度だと思います。
医療費には年齢・収入に応じた自己負担上限がある
差額ベッド代や食事代など、対象外の費用もある
計算は「ひと月」単位で区切られる
2026年8月から上限額が上がり、年間上限ができた(2027年8月にも見直し予定)
オンライン資格確認に対応する医療機関等では、マイナ保険証で保険診療の窓口払いを限度額までに抑えられる(対象外費用などは別)
制度の名前を見ただけで難しそうに感じますが、一つずつ見ていくと「知っておけば少し安心できること」も多いんですね。
出典
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40406.html
全国健康保険協会「限度額適用認定証」:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/001/index.html
※年収は目安です。実際の区分は標準報酬月額や所得などで判定されます。低所得者の食事代軽減など、マイナ保険証を利用していても別途申請が必要な手続きがあります。
※記載の金額・制度内容は2026年10月時点の情報です。所得区分や加入する健康保険組合により異なる場合があります。最新の内容は加入されている健康保険組合・自治体の窓口でご確認ください。
